家の快適性に関する数値のおはなし

 社長ブログをサボって2か月以上経ってしまいました・・・

 この2か月の間に去最強クラスと言われた台風10号が去り、あんなに暑かった夏がもう朝晩は肌寒いほどの秋へ、我らがⅤファーレン長崎は首位を転落し4位へ後退・・・タイムリーなブログネタの多くを喪失してしまいました(笑)。

 さて、最近住宅関係の広告等に『冬暖かく、夏涼しい』というフレーズをよく見かけるようになりました。

 おそらくこの根拠となるのは『熱がどのくらい逃げにくい家なのか?』を表すQ値や、UA値というものになります。

Q値=熱損失量の合計÷床面積の合計

UA値=熱損失量の合計÷外皮面積の合計

外皮面積とは・・・屋根・壁・基礎の外部に面した部分の面積の合計

いずれも数値が小さい方が高性能とされています。

 2013年以降ZEH(ゼロエネルギー住宅)や長期優良住宅の省エネルギー性を計る指標となっているのはUA値となりますので、現在の主流はUA値ということになります。

 私はこれに非常に異論反論!OBJECTION!(古い・・・(笑))が!!

UA値の式を見てもらえばわかるのですが、同じ仕様の住宅であれば外皮面積が大きい方が有利になります。

外皮面積説明図

ちょっと極端な絵ですが、左の住宅より右の住宅の方が外皮面積は大きくなり、UA値としては有利になります。

この絵での判断は難しいかもしれませんが、なんとなくどちらの住宅が格好良くまとまると思われますか?

 私は好んで屋根と窓が大きく離れすぎない設計をしています。以前ある建築家から『例えば眉毛と目が離れているよりも近い方がハンサムだろ?』と言われたことがあり・・・(笑)

また2階建てと平屋では外壁面積は大きく変わりませんが、屋根面積が大きくなるため自ずと外皮面積も大きくなるためUA値は有利になります。

このようにUA値だけで『冬暖かく、夏涼しい』という事を判断するのは無理があるなーと感じるのです。

  • どんな断熱材を使っているか?
  • どんな窓(サッシ)を使っているか?
  • どの様な考え方で屋根をかけ、日射熱の取得と遮断をしているか?
  • 果たしてその性能が長期間に渡って継続するのか?

最低これだけのことも加味して考えないといけません。

これから家づくりを考える方にぜひ頭に置いていてもらいたいことは、上記の考え方をしっかり伝えることができる作り手か?ってこと。

単にUA値を良くするためだけなら、壁の中に性能が良いと思われる断熱材を詰め込み、サッシメーカーの思惑通りのものを取付け、予算の範囲内でできるだけ外皮面積を大きくしたら計算結果だけの『冬暖かく、夏涼しい』家ができてしまうわけですから。

以下マメ知識として、諫早市でのUA値の基準を書いておきます。

断熱等級3【特に表示されていない建売住宅やローコスト系に多い】
UA値=1.54程度

断熱等級4【長期優良住宅などに必要とされる性能】
UA値=0.87以下

ZEH基準【ZEH住宅として認定を受けることができる】
UA値=0.6

HEAT20 G1【これからの住宅として目指すべき第一歩】
UA値=0.56以下

HEAT20 G2【さらに先行き現状ではトップクラス】
UA値=0.46以下

HEAT20 G3【将来めざすべきすごいやつ(笑)】
UA値=0.26以下

弊社のエアサイクルの家標準仕様では前述したとおりプランにより変わりますが、

UA値=0.8~0.6

と言うのがこれまでの実績です。

 弊社ではお客様と定期的に顔を合わせていますので、季節に応じて住み心地をヒアリングしていますが、UA値に関わらず標準仕様で十分に満足をいただいています。

 諫早市に住む弊社標準仕様のエアサイクルの家に住むお客様のお宅に、内断熱の住宅に住むご近所さん(ともにほぼUA値が同じ、ともに長期優良住宅)が遊びに来られた際、『なんでこんなに暖かいの!?』とびっくりされていた事が実際にあったとお客様に聞きました。

 『暖かい・寒い≠気持ちいい』

 エアサイクルの家が目指すのは気持ちのいい室内環境です。
 これは前述のUA値などのように数値で表すことができない、温湿度のバランスによる気持ちよさのことです。

 これも今年の冬に1年目点検でお客様宅を訪問した際の出来事ですが、家に入るなりほんわかとした温かさを感じました。2月でしたので外気温は1桁台だったと記憶しています。訪問した時間は午前10時ごろ。

 約30分ほど室内の点検をして世間話になった際、『今日は暖房器具は何を使われてますか?』と質問して我々も驚きました。

 『今日は朝から一切暖房を使ってない』と!

 さらに住み始めて1年間、リビングに温湿度計を置き見ていたところ、湿度が常に50~60%だったそうです。

 これはインフルエンザウィルスが不活性化する湿度でもあり、気持ちよさを体感する湿度でもあります。

 久々のブログで長くなってしまいました。この2か月、エアサイクルの家の気持ちよさをどうしたらお客様に伝えられるのだろう?と考え続けてきてましたので熱くなってしまいました(笑)

 長くなりすぎたのでまた後日関係するブログを書いてみたいと思います。

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