前回までは『エアサイクルの家』のもつ特徴の一つである
構造体を長持ちさせる。
ことについて書いてきましたが、今回は住まい心地について書いてみたいと思います。
エアサイクルの家は空気を自由に動かすことが可能で、それを簡単に書くと下の絵のようになります。
このように基礎から屋根まで空気を動かします。
これは冬の昼間のイメージ図です。
冬場のエアサイクルの家ではエアサイクラーを閉じて、家を包む空気を太陽の力を使って暖めていきます。
南面で暖められた空気はエアサイクルの通気層を通って屋根裏に達し、暖められた空気で北側の冷えた空気を床下へと押し下げます。
これを繰り返すことにより徐々に家を包む空気が暖められていくという仕組みです。
また、床下の土間コンクリートに熱を蓄熱していきます。
そして夜、床下へ蓄熱された空気を放熱し、さらにエアサイクルボードの持つ断熱性で冷気をシャットアウトします。
実際に建ったエアサイクルの家で今年の2月、10日間に渡って30分おきに24時間の温度データをとりましたのでご紹介します。
測定した部屋は普段は暖房を行っておらず、直接日光も入らない北側の部屋です。
今年の2月4日、この日の天気は晴れ、外気温は-4.3℃まで下がりました。
注目してもらいたいポイントは
1.床下空間が24時間を通して10℃~12℃の間で推移している
2.外気温の急激な変化に対して室内温度は緩やかな温度変化をしている。
3.外気温が最高温度を記録して、2~3時間後に室内温度が最高値を示している。(北側の部屋なのに)
と言うところです。
(この家の場合、1階の測定ポイントが窓の傍においてしまった為、若干、輻冷熱を貰ってしまった可能性があり(私の測定失敗)、ちょっと低めの室温が記録されている可能性があります。)
2.3.の検証結果からもわかるように、この家では十分にエアサイクル効果によって、徐々に家全体が暖められていっていることが確認できました。
また、エアサイクラーを閉じていることで、2階の部屋は屋根に日射があたり、小屋裏が暖められるに従った温度変化をしています。
今後、夏場の温度変化も測定していきたいと思っております。
是非お楽しみに。