弊社のある雲仙市は7町が合併して2005年に誕生しました。
合併協議会では市庁舎を位置的に中心の愛野町につくると協議されてきています。
現在雲仙市では合併特例債の期限10年を間近に控え、市庁舎建設の是非が議論されております。
先日、現雲仙市長は仮庁舎としている旧吾妻町庁舎を増築して新市庁舎にするという方針を発表しました。
現在、市庁舎建設の住民向け説明会が開催されているようです。
先日、自治会長より、『最初に愛野町と決めたんだから愛野に庁舎を建てるべき!』『合併特例債があるんだから是非愛野町に建ててほしい』と言う意見を説明されておりました。
理由は・・・
1.雲仙から市役所に行くのが遠すぎて不便。
2.愛野町は現在庁舎建設が決まってから人口が増えてきている。土地も値段が上がってきている。
というようなもの・・・。(おそらくほとんどの方が似たり寄ったりの意見なのかな?)
私は新庁舎新築には疑問を感じております。
1.に関しては、『年に何回市役所に行かれますか?』『我々建設業者は月に数回市役所に行きますが、さほど不便さを感じていません。』『市民生活においてはそのほとんどが支所で事が済んでいるのではないですか?』
2.に関しては『人口が増えているのは、県央地区に近く、スーパーなども集中していて生活に便利だからではないでしょうか?』
と言うようなもの。
そもそも合併特例債を利用して例えば道路整備を含めて仮に100億円かかったと仮定すると、手出し5億円で特例債が国から来て、残り95億円の3割、29億円弱は市の負債となると理解しております・・・。(おそらく乱暴な書き方で数字はずれていると思いますが・・・)
現状、雲仙市の財政は地方交付税だよりである中、さらに借金を増やしてやっていけるのか?が不安でなりません。
如何に立派な庁舎が建とうと、それで流入人口が増えるわけでなく、我々の生活が向上するわけでもなく、中で働く職員のレベルが上がるわけでもありません。
極端な話、私は増築さえ無駄だと思っています。
そんなものに金をかけるより、通信インフラに金をかけてもらうとか、住民生活に直接関係のある支所に金をかけた方がよっぽどまし(広域市なので支所の住民サービスの存在は非常に重要)・・・じゃぁないのかなぁ?と思うわけです。
一部の声の大きい受益者に惑わされることのない議論がなされていくことを心から願っています。
議員さんの大半は10~20年後は現役ではないでしょう。
また今、声高に新庁舎建設を叫ばれている方はそのころ果たして現役なのでしょうか?
子供たち世代に大きな借金を残さない事を本気で考えてほしいものです・・・。
私も建設業者ですから、多少なりとも利益を得るチャンスはあるかもしれません。
でもそれはほんの数年の事。
その後を考えると恐怖を感じてしまいます・・・。
普賢岳災害復興工事が終わった後の建設業の現状からもわかりますよね・・・。