阪神大震災以降、在来工法にも金物を多用するようになってきています。
構造見学会等に参加された経験のある方はご存じだと思いますが、、、
こんな金物が沢山ついています。
これ、柱全てに付けているわけではなく、国交省告示などで決められており『こんな筋違の場合はこういう風につけなさいよ・・・』と決められております。
ただし、これだとかなり安全側に見てあるため、非常に多くの金物が必要になり、35坪程度の住宅で約10万円超の金額となります。
また必要以上に金物を使用してしまうと柱の仕口に必要以上に応力集中が発生してしまうということも起こり得ます。
これに対して、柱の1本1本の引き抜き荷重、めり込み荷重を計算して必要な金物を決定する『N値計算』というものがあり、これを計算することで金物にかかる金額を半分程度まで少なくすることができます。
全ての柱にかかる力を計算するので、不必要な金物にかかる金額、不必要な応力集中を避けることができます。
弊社で設計する建物はこの『N値計算』を標準的に採用しておりますので金物にかかる金額を抑えることが可能です。
と、、、いまさらながらになぜこれを書いているかというと・・・
ちょっと前に設計事務所さんの図面の住宅を建築したのですが、金物の事が設計図にほとんど書いておらず、弊社でN値計算をして提案させていただいたところ、ほぼ金物についての知識が皆無・・・
もし、やはり金物の知識が少ない施工業者が施工したとすると・・・と思う事がありました。
住宅を建てる際(設計する際)『柱の仕口は告示ですか?N値計算ですか?』と聞いてみましょう。
告示で行くにせよN値計算でいくにせよ、設計者は構造について敏感になる魔法のことばです。